発達障害の子供が勉強しないのは何で?
子供に勉強をさせようと思っても、遊んでばかりで勉強しないというのはどこの家庭でも抱えている問題です。しかし発達障害がある場合には勉強が思ったようにできないという悩みをもつことも少なくありません。
発達障害がある場合には単にやる気の問題ではなく、
「やりたいと思っていても、思うようにできない」
ということが原因となっていることもあります。
そのような場合には適切な環境を整えることで、勉強ができようになることもあります。
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発達障害の子供が勉強しないときの対処法①短時間に集中することを教える
子供は勉強に限らず、自分のやりたいと思ったことを優先してやる傾向があります。
これは本能的なもので、成長と共にやらなくてはいけないことの必要性がわかってくると、やりたくないことでも我慢して行うことができるようになってきます。
しかし障害がある場合には、やらなくてはいけないことをする必要性を理解する力が弱いことがあり、年齢を重ねても好きなことを優先してしまう傾向のある子供もいます。
特に勉強のように行わなくてもすぐに自分が困るわけでもなく、期限がもうけられているわけではないものは「やらなくてはいけない」という必要性をもちにくい種類の事柄になります。
その際には本人がやる気になっているタイミングに短時間でいいので勉強をするようにして、それを何度も繰り返すようにすると効果的です。
勉強しない理由の中には、予定通りに長時間机に座り続けことに対して苦痛を感じている場合もあります。
どうしても勉強をするというと、計画を立てて長時間机に座るという形をとる人が多くなりますが、発達障害がある場合には予定を立てることよりも本人のやる気がでた時に行うほうが勉強の成果が出やすくなります。
実際に始めてみて、短時間で集中力が切れてしまうようであれば、そこでいったん勉強は終了にします。そして、何かのきっかけで再びやる気になった時には、勉強の時間を再開します。
このように細切れの時間の勉強でも、本人がやる気になっていれば、学力をしっかりと身につけることができます。
勉強は長時間かけて行っても身についていなければ役に立たせることができません。そういった意味で考えると短時間でも集中してできていれば、学力が少しずつ身につけることができます。
そして長い時間集中ができなくても、短時間の学習を数多く繰り返すことで、学力はつけることができます。学習を繰り返していくうちに分かる楽しみが増えてくれば、集中できる時間も徐々にのびていくでしょう。
発達障害の子供が勉強しないときの対処法②わかるところまで戻ってみる
発達障害の子供が勉強をする時には「どこがわからないのか?」に気付けないという問題で勉強しない、という結果になることもあります。
勉強は基礎から始まり、徐々に応用することができるようになっていきます。そのため、基礎の段階が理解できていなければ、応用問題をみて解くことが困難になります。
障害がある子供で勉強が嫌いな子供の中には、長いことわからない問題ばかりをみてきて「どこがわからないか?さえもわからない」という問題を抱えている子供もいます。
そのような時には、いま目の前にある問題をいくら丁寧に教えても理解させることは難しく、さらに勉強が嫌いになってしまう危険もあります。
もしも、問題自体が全く理解できていないと感じた時には、その問題の基礎となる部分まで戻って勉強をしてみましょう。
障害がある子供は自分ができる問題には強い関心を示すことが多いので、わかっていることに関しては積極的に取り組む子供が多いようです。
そして、わかっているところまで戻ってから、少しずつ応用問題まで進んでいきます。
分かるところまで戻っていくと、実際の年齢で行っている勉強内容に比べて大きく戻ることになる可能性がありますが、しっかりと戻らない限り応用問題は解けるようにならないので、気にせずにわかるところまで戻ります。
他の子供と比較して、すぐに同じ段階まで理解させようとすると、子供の理解が追い付かないことがあります。
急ぎすぎないように気をつけて、周りと比べるのではなく子供がどこまで理解できているかに集中しましょう。
障害があっても、基礎からひとつひとつ学んでいけば、最初は他の子供に遅れていても、徐々に近づいていけます。
基礎をしっかりと理解することが今後につながるので、時間がかかっても基礎をしっかりと理解できるまで繰り返し勉強しましょう。
子供によって勉強を進めるペースには違いがあるので、あせらずにその子供に応じたペースでひとつひとつ学びを積み上げていくことが大切です。
発達障害の子供が勉強しないときの対処法③少しの前進を誉めてチャレンジ精神を育てる
発達障害の有無に関係なく人間は誰でも、新しくできたことに対して褒めてもらえるとやる気を維持することができます。
何でも新しくできるようになったことはそれだけでも楽しい出来事ですが、そこに至るまでの頑張りを認めてもらえると、さらにやる気を維持させることができます。
これは子供の場合では特に顕著で、どのような場面でも褒めてもらうと実力が伸びると言われています。
勉強しない発達障害の子供の場合には、勉強をしないことに対して叱られてしまうと、一層やる気がなくなってしまうので、できるだけ「できていることにフォーカスして褒めながら促していく」ことが大切です。
そしてできないのであれば、できないという事実を大人が認めるという態度も必要です。
子供にとってできないということは、自分自身を否定されるような気持ちになることがあるのでマイナスのイメージをもちやすいものです。しかし、できなくても大丈夫だと大人が示すことで、できないことにもチャレンジしようという気持ちをもつことができます。
できないことがある場合には、子どもに対してできていないことを叱るのではなく、できないという事実をまず認めて、それからどうすればできるのかを一緒に考えていくような姿勢が望ましいでしょう。
そして、子供が頑張ってできたことは褒めて努力を認めるようにします。
その繰り返しをしているうちに、子供自身もなにができなくて、どうすればできるのかということが徐々に理解できていきます。
最初から叱られてばかりでは、チャレンジしようという気持ちさえ持てなくなってしまうので、最初はできないという状況を本人と共に認めるという段階からスタートしましょう。
今はできていなくても、これからできるようになるという予定を子供に伝えることも効果的です。
これをしたら、どんな良いことがあるのかということがわかればやる気にもつながります。
特に予定を気にしがちな性格の子供の場合には、今後の予定を話しておくと良いでしょう。
発達障害の子供が勉強しないときの対処法まとめ
発達障害の子供の場合には単純に勉強が嫌いというよりも「やり方がわからない」という理由で勉強しないという結果になっていることが多いようです。
これに関しては大人が適切に関わることで、本人のやる気を引き出すことができれば勉強は楽しいという意識をもつこともできるようになります。
そのためには「何ができていないのか?」を明確にすることが大切で、できているところまで戻ってから勉強を始めることが大切です。
わからないまま無理に覚えさせようとしても、子供のやる気はさらになくなってしまうので、子供自身がやりたいと思えるようにわかっている部分を徐々に広がるような勉強方法になるようにしていきます。
先の予定がわかっていないと本人の目標が定まらないことがあるので、今後の予定を本人と共に考えつつ、短時間でもいいので本人のやる気がある時に勉強をすることを繰り返していきます。
そしてできるようになった時には、それを認めて褒めるようにしましょう。
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